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深夜バス前編
検索で、結構「ショタ受け」でヒットしてるみたいで、それで来られている方もいるようです。
たまにはそちらの需要にも応えようかなと、久しぶりにショタ受けを。
女性側の心理描写をしていたら意外に長くなってしまって、まずは二分割の前編部分を。
それでは、お好みの方は続きをお楽しみください。
「ふー、ひどい目にあっちゃったー」
いそいで車内に駆け込むと、さやかはひとりごちた。
急に降りだした雨のせいで、黒のスーツはグッショリと濡れてしまっている。
コツコツとヒールの高い靴音を響かせながら、足早に自席を目指す。
乗車はバス会社が他の交通機関に対抗して最近はじめた、深夜の高速リムジンバス。
全席指定で飛行機のファーストクラス以上に広く快適な座席がウリだ。
通路を挟んで片側は一席だけの列、もう片側は二席の列になっている。
料金は高いが人気の一席側は、早い段階で予約がうまってしまい、さやかの席は二列側だった。
――こんなに濡れて、迷惑にならないかな・・・
席にたどり着くと、案の定先客がいた。窓際の席に、まだあどけなさの残る少年が座っていた。
――カワイイ
隣席の少年、彼女好みの少し内気そうなメガネ姿の端正な少年を見た瞬間、思わずさやかの本性が顔をのぞかせてしまった。
しばしのあいだ少年にみとれ、アレコレと楽しい空想・・・妄想をしてしまう。
見つめ返す少年に、いささかあわてて言い訳じみた口調でさやかが言った。
「びしょ濡れでごめんねー、あなたまで濡れないようにするから」
「・・・だ、大丈夫ですよ」
やはりあわてたように答え返す少年の頬は、心なしか朱く染まっているような気がした。
――脈あり・・・かな?
ウブな少年の反応に期待を膨らませながらさやかが席に着くと、静かにバスが走りはじめた。
隣り合わせた少年の視線を意識しながら、さやかはずぶ濡れの上着を脱ぎさった。
白いシャツが透けて、シャツに合わせて白いハーフカップのブラがあらわになっている。
そうしてからトランクを預けてしまった事に気付いた。
――あっ、困っちゃったなー・・・着替え全部トランクの中だった・・・タオルもちっちゃいのしかないし
思案顔の彼女に、おずおずと少年の声がかかった。
「あ、あの・・・よかったらこれ・・・」
透けたブラを直視できないのか、うつむき加減にスポーツタオルを差し出す少年。
「あら、ありがとー
えーっと・・・正樹クン
」
「・・・えっ? なんで・・・」
「だってほら、ここに名前が書いてあるでしょ?」
名を呼ばれて思わず顔を上げた少年に彼女が答える。
受け取ったスポーツタオルには、少年の親が書いたのか端麗な文字で名前が書いてあった。
深夜バスの車中だけに、高速に入る頃には徐々に周囲は寝静まっていった。
さやかは正樹とささやき声で会話を交わしながら、服の上から身体を拭いていたが、染みこんだ雨水は下着まで濡れさせてしまっていて、脱いでしまわなければ不快感は払拭できない。
周囲を見回すと、一席側の隣の男性客は、アイマスクとヘッドフォンを着けて早くも熟睡モード。前後の客も似たような体で、それ以外の席からは背が高く広い座席のおかげで死角になっている。
(やっぱり脱いじゃわないとダメみたい
)
(!・・・)
耳元に口を寄せて彼女がささやくと、少年はびっくりしたような表情を浮かべ、首から上が真っ赤に染まっていく。
そんな正樹の反応をいたずらっぽい微笑で見つめたさやかは、備え付けのブランケットで首から下を覆い、タイトスカートのファスナーに手をかけた。
ブランケットがもぞもぞと蠢き、スカートが、次いでシャツが折りたたまれてさやかの前の網に収まっていく。
そのたびに彼女の肩がブランケットから突き出され、正樹は目のやり場に困っているようだったが、それでも気になるのかチラチラと横目で・・・
そんな少年の様子をさやかは目の端に捉えていた。
一般に女性のほうが男性よりも視界は広い。まして意識している隣席の少年を相手に、彼女がそれを見逃すはずはなかったが、まだ若すぎる少年には自分の視界を基準にした行動しかできなかった。
――下着も脱いだらどんな反応するんだろう?
正樹の反応が楽しくて、ついつい行動をエスカレートさせてしまうさやかだった。
下着を脱ぐにしても、ハンドバッグを引き込んでブランケットの中だけで済ませてしまうことも、もちろんできる。
しかしそれでは、少年の反応を楽しむという目的には合致しない。
脱いだ下着をわざわざ取り出して、正樹に見せ付けながらハンドバッグにしまわなければ・・・
さすがに恥ずかしく改めて周囲を見回すと、さやかと正樹以外の客はすっかり寝静まっているようだった。
――よーし! ちゃんと見ててね
彼女は妙に気合を入れ、ブラのホックに手をかけるのだった。
今日のために特に何かを意識していた訳ではない。隣席の客が誰かもわからなかったのだから、当然のことではある。
ただ単に、ビジネスの場でラインの出にくい下着を選んだだけのことだった。
しかし、肩紐が背でクロスしたブラを脱ぐには、ホックを外したあと首から抜き取る必要があった。
さやかの両肩と、そしてぎりぎりまで胸の谷間があらわになる。
わざとゆっくり時間をかけて肩紐を抜き取るさやか。レース飾りもない、シンプルな下着で魅せるには、それなりの演出が必要だった。
目の端には、息を殺しつつ明らかに横目で注視している正樹の姿が映る。
本当は手を伸ばすだけでとどくハンドバッグを取るために、左手で胸元のブランケットを押さえつつ、少し前かがみになって裸の背中を見せつける。
少年はさりげなさをよそおったつもりか、このタイミングで自分のブランケットを取り出して腹にかけ、両手を組むようにして下腹を覆う。
それが何を意味しているかは、大人のさやかからすれば明らかだった。
ついニヤけてしまいそうになる表情を押し殺して背を戻すと、自分の方も乳首が充血し始めていることを意識した。
――ここまで来たら、最後の一枚は正樹クンに取ってもらいたいな~
互いの興奮から、さやかの思考はどんどん過激なほうへとエスカレートしていく。
上下揃いの下着のショーツは、ブラと同じく装飾のないシンプルなものだったが、カットはかなり大胆だ。
タイトミニのスーツにラインが出ないように、本来スポーツなどの用途に適したGスト。
ごく小さな三角形の布から三方にのびた2センチ幅の紐が、後でT字につながっている。たったそれだけのものだった。
(ね、正樹クン。タオルのお礼がしたいなぁ~
)
さやかは二人の間を仕切っていた肘掛を押しのけ、正樹のほうへ擦り寄ると耳元でささやいた。
(・・・お礼?)
(そっ。受けてくれる?
)
(・・・どんなお礼?)
耳に吹きかけられる熱い吐息にくすぐったそうにしながら、正樹は必死に受け答えしていた。すでに鼻では息ができず、口で呼吸している。
(え~? それはね~、まだ秘密
正樹クンがいいって言ったら教えてあげる
)
こんな風に女性に迫られたことなどない少年は、すっかり興奮して余裕がない。
彼女はそのことを十分に意識しながらも、からかい半分に、しかし正樹の口から承諾を得たかった。
(・・・・・・わかった。じゃあお礼して)
かなり長いあいだ逡巡してからではあったが、すりよって身体を密着させてくる女性のお礼が悪いもののはずがない。少年の妄想は正しく、あるいはそれ以上に報われることになった。
さやかはよりいっそう正樹に密着すると、自らの身体にかかったブランケットを引っ張り上げ、二人の身体を覆い隠していった。
つづく
深夜バス:完結
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2009/04/16(木) 07:18
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