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とある三姉妹と隣家の兄弟・前編 |
ある晴れた8月の金曜日の夕刻、通勤電車にスーツ姿の女が1人、見るとは無しに車窓から外を眺めていた。 ガラス面に映し出されたその顔は、アーモンド型の双眸と男好きのする厚めの唇をたたえ、流麗なあごと豊かな波打つ髪がおおっていた。まず一級の美人と言っていい。 普段より早く仕事を切り上げた亜矢は家路を急いでいた。 若くして上場企業の主任の地位にある彼女は、典型的なキャリアウーマンの道をひた走っている。 充分に美しい容姿と理想的なプロポーションをしているにも関わらず、ややキツめで真面目一方の性格と優秀すぎることが相まって、職場や取引先の男性陣が声をかけづらい雰囲気があった。 無論、恋人もいない。 しかし自宅には、そうした屈託に関係がない『男の子』が2人待っているはずだった。 共働きの隣家の従姉夫婦から、亜矢とはやや歳の離れた気楽な学生の2人の妹達が、夏休みの日中、2人兄弟を預かっているのだ。 ――いまごろ4人で仲良く夕飯の準備でもしてるのかな 妹達と、よくなついたかわいらしい2人のいとこ甥の微笑ましい光景を思い浮かべると、つい顔がほころぶ。
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とある三姉妹~:完結
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[ 2009/03/29(日) 15:21 ] |
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とある三姉妹と隣家の兄弟・後編 |
前編
実際、亜衣は親戚のお姉さんとして、少年達に母性に似た愛情を抱いていた。 ただそれに、世間的にはなかなか認められない愛情が付随していただけだと考えている。 児童虐待だとも考えていない。一緒に入った風呂で先に亜衣の体に興味を示し、股間ものを勃起させたのは海の方であり、その想いに応えただけなのだ、と。 年齢と容姿に比して男性経験の少ない亜衣が、性交の他に勃起の解消方法を知らなかったのも無理はなかった。 古来、性に鷹揚だった日本では、早婚など珍しくもなかった。なぜ、欧米追従の価値観で、自分達の情愛が否定されなければならないのか? そんなことまで考えているのだった。 真面目というより、そうした外来の価値観に染まった姉を『主人』に犯させるのも、姉の価値観では口外できない関係に巻き込んでしまうことで、口を封じるためだった。 嫉妬はある。 しかし、姉から少年達の両親に告げ口されれば、秘密の関係が壊されてしまう。
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とある三姉妹~:完結
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[ 2009/03/29(日) 15:22 ] |
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